【意味怖】病に臥した少年

創作

意味が分かると怖い話

 少年は病に臥していました。初めは風邪程度の症状でした。しかし、日を追うごとに彼の体調は悪くなっていきました。いまでは起き上がることも苦しい状態です。そんな中、彼の母は懸命に看病を続けていました。彼女は寝る間も惜しんで来る日も来る日も必死に少年の体調が少しでも良くなるようにと手を尽くしていました。それでも、少年の具合は一向に良くなる気配はありません。それどころか、母が手厚く看病を続ければ続けるほどますます病状は悪化しているようにさえ見えました。ある時、親子の親族は少年の容体を見かねて、彼のことを医者に診せるよう母に助言しました。母が親族の力を借りて彼を病院に連れて行くと医者は少年の母にこう言いました。

「私にできることは何もない。かわいそうだが、そのうち楽になるから放っておきなさい。」

 彼女は医者の言葉に大きなショックを受けました。少年は彼女の一人だけの子でした。そんな唯一の大切な存在を何もせずに放っておくことなど彼女にはできませんでした。病院から帰った後も母は医師の言葉を気にすることなく少年の看病を続けました。それは、自らの体調をもいとわぬものでした。そんな様子を見た彼女の親族はこのままでは少年だけでなく彼女まで病気になってしまうと思い、彼女にもう彼の看病はやめるよう忠告しました。それでも、彼女は看病をやめることはありませんでした。

 そして、その数か月後とうとう少年は帰らぬ人となりました。

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